(講師の著書『哲学のヒント』(岩波新書) より



教師は、自分の中に哲学をもて!と言われます。この言葉は、自分の中に軸をつくれということだと思っています。その軸をつくるには、哲学が最適だということなのでしょう。しかし、私にとっての哲学は、難しい言葉が出てくる難解なもの、よくわからないもの、というイメージで、なかなか近寄りがたいものでした。そんな私でしたが、哲学とは「自己自身に目を向け、生きている自分を見つめ、それを自覚的に行うこと」である、という藤田先生の始めのお話で、少し霧が晴れたように感じました。哲学はやはり難しい、というのが率直な感想です。しかし、ものごとを突き詰めて考えていくその姿勢には敬服しました。今の私の状況では、藤田先生のお話を十分に理解できたとは言えない状況ですが、哲学とは何なのか、その一端に触れることができました。ありがとうございました。
「自我」と「自己」、自分というものを考えさせるお話でした。自己を自覚できる己でありたいと感じました。今回のようにZoomで行ってもらうと、遠方であっても参加の機会が増え、ありがたいです。ぜひコロナが収束しても、現地とオンラインとのハイブリットで続けていただけるとありがたいです。
藤田先生のお話を伺い、普段目の前のことに追われ、自分の存在とか生きていることそのものも忘れ、日々を生きているなかにあって、今ここに生きていることの不思議さや私は何者かと問うことは、今こうして在ることへの感謝や、よりよく生きることへの自覚をより深められたように思います。
「自己とはいったい何なのか」ということはもちろん「どのように生きるべきか」とか「よりよく生きるとはどういうことか」ということについて考えたことは今まであまりありませんでした。目の前のことを具体的にどうすべきか、その繰り返しの毎日です。例えば仕事上のことで言えば「目の前の子どもにどう関わるべきか」等々…。「私とは何か」自分を見つめる自分という視点に欠けていたことが私の教員としての、また子どもを支援する大人としての大きな問題であったと思います。参会されたみなさんの熱心な姿に触れ、本講座の生涯学習に資する役割や意義の大きさを感じました。自ら学び自ら考える。生涯にわたって大切なことなのだと思いました。